家づくりの知識

2024.01.10

新築時に家庭用蓄電池は必要?メリット・デメリットや選び方

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新築と同時に設置を検討される住宅設備の一つに、家庭用蓄電池があります。

蓄電池を上手に活用すると、電気代の節約や災害への備えになりますよ。

 

今回のコラムでは、新築時に検討したい家庭用蓄電池について解説。

蓄電池の種類や自宅に設置するメリット・デメリット、設置する蓄電池の選び方などをお伝えします。

家庭用蓄電池

 

家庭用蓄電池とは?

家庭用蓄電池とは、充電をして電気を貯めておき、自宅の家電や電気機器につないで電気を供給できる機器です。

持ち運びできる小型のバッテリーから、大型で据え置きタイプのものなどがあります。

 

家庭用蓄電池の種類は、大きく分けて「系統非連系タイプ」と「系統連系タイプ」の2種類に大別されます。

 

系統非連系タイプ

電力会社から購入した電気を充電するタイプで、主にコンセントから充電します。

電気を使うときは、蓄電池と使いたい電化製品を直接つないで使用します。

携帯型バッテリーなどを想像するとイメージしやすいのではないでしょうか。

 

小型のタイプが多く持ち運びに便利な反面、その分蓄電容量が少ないため、使える電化製品や時間が限られるのに注意を。

災害などの備えとして導入するケースもあるでしょう。

 

系統連系タイプ

分電盤を経由して住宅の電気系統と直接連系するタイプの蓄電池です。

家庭用太陽光発電システムと組み合わせて使い、家電や照明などに電気を供給します。

 

蓄電池自体は大型・据え置き型が多く、蓄電容量が大きいので生活家電への供給も可能です。

 

 

新築に家庭用蓄電池を設置するメリット・デメリット

新築で家庭用電池を設置するメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

 

メリット①電気代の節約ができる

蓄電池を上手に活用することで、電気代の節約が可能です。

例えば、太陽光発電システムとの組み合わせの場合、昼間に発電した電気を貯めておき、夜間や曇りの日に蓄電池の電気を使うことで、電力会社から送電される電力量を減らして電気代の節約に!

 

コンセントから充電するタイプは、電気の使用量が安い夜間などに充電しておき、昼間にその電気を使う方法があります。

オール電化には夜間の電気代が安いプランがありますので、自宅の電気料金プランを確認してみましょう。

 

メリット②停電への備えになる

蓄電池に電気を貯めておけば、突然の停電など災害時の備えにもなります。

生活家電全部を賄うような容量の大きな蓄電池はその分高額になりますが、容量の少ないタイプでも照明や通信機器を一時的に使えるだけでも安心感が違うものです。

 

メリット③環境に優しい

太陽光発電システムで発電された電気は、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー。

持続可能な社会の実現に向けた環境負荷低減の取り組みの一つになります。

 

コンセントから充電するタイプでも、夜間に充電することで電力会社からの電力供給のピークタイムをずらすことができます。

 

メリット④初期費用を住宅ローンに組み込める

新築時に設置する住宅設備は、その設置費用を住宅ローンに組み込めるケースがあります。

住宅ローンは一般的な融資よりも金利が低いため、設置費用の負担を軽減できます。

 

デメリット①設置コストがかかる

蓄電池は初期費用が高いことがデメリット。

タイプや容量によって費用には幅がありますが、系統連系タイプで容量が大きなものなら本体費用と設置費用で100万~300万円程度かかるケースも珍しくありません。

 

国や自治体で家庭用蓄電池設置への助成金などが用意されていることもあるので、チェックしてみてくださいね。

 

デメリット②設置スペースを確保する必要がある

家庭用蓄電池は蓄電容量が大きいほど、サイズも大きくなり、設置スペースが必要となります。

据え置きタイプの蓄電池なら、エアコン室外機の1~2個分くらいのスペースを確保したいところです。

 

マンションのベランダに設置する場合は、稼働音が隣に響かないかなどの配慮も必要です。

 

デメリット③使用回数が有限である

蓄電池には寿命があり、充電・放電回数にも上限があります。

使用回数が増えるほど、蓄電池が消耗・劣化し、一度に充電できる容量が減っていきます。

 

寿命は一般的に10~20年程度が目安です。

 

 

新築時に設置する家庭用蓄電池の選び方のポイント

新築時に家庭用蓄電池を設置するなら、こんなポイントをチェックして選びましょう。

 

充電容量で選ぶ

住宅の環境や家族の人数、電気の使い方によって、必要な蓄電容量は異なります。

太陽光発電システムと組み合わせて日常的に使いたいなら大容量を、災害などの備えとして最低限の使用を想定しているなら使いたい機器に合わせた容量でも良いでしょう。

 

普段の使用電力はどのくらいか、災害時にはどの程度の電力が必要かを考えて選びましょう。

 

タイプで選ぶ

太陽光発電システムとセットで使うなら系統連系タイプ、蓄電池単体で使うなら系統非連系タイプを選びましょう。

 

先ほどもお伝えしたように、蓄電容量は太陽光発電システムと組み合わせて使う系統連系タイプのほうが大きいものが多いです。

住宅の種類や環境などの理由で太陽光発電システムを設置できない場合や、大きな蓄電池を設置できない場合には系統非連系タイプを選ぶことになるでしょう。

 

寿命で選ぶ

蓄電池の使用期間の目安は、商品によって異なります。

本体価格が安くても寿命が短い製品であれば、短期間で蓄電容量が減ってしまったり、買い替え費用がかかってしまったりすることも。

本体価格が多少高くても、寿命が長い製品のほうが長期的なコストパフォーマンスが高いケースがありますよ。

 

 

新築時に家庭用蓄電池の設置が向いている家庭

ソーラーパネル

蓄電池の設置が向いているかどうかは、ライフスタイルや電気の使い方などによります。

以下のようなご家庭では、特に蓄電池の活用がおすすめなのでぜひ検討してみてくださいね。

 

太陽光発電システムの導入を検討(または予定)している

家庭用蓄電池は太陽光発電システムと相性抜群!

太陽光発電システム単体だと、昼間の晴れている時間にしか発電した電気を使えませんが、蓄電池と組み合わせることで発電していない時間帯にも貯めた電気を使えるようになります。

曇りの日や夜は蓄電池に貯めた電気を使うことで電気代の節約ができます。

 

また、共働きなどで昼間は不在になりがちの家庭は昼の電力使用量が少なく、蓄電池に効率的に電気を貯められるので、さらに節約効果が高まるでしょう。

 

太陽光発電システムのメリットについてはこちらのコラムで詳しくご紹介しています。

新築時に太陽光発電設備を設置するメリットは?設置の現状も知ろう

 

日本政府は「2030年までに新築住宅6割に太陽光発電設備を導入する」という目標を掲げているため、今後も導入する家庭が増えると思われます。

 

オール電化を予定している

オール電化は家庭のエネルギー全てを電気で賄っているので、電気代は安く抑えたいもの。

電力会社からの送電量を減らすことができる蓄電池は、電気代の削減に寄与します。

 

系統非連系タイプの場合でも、オール電化では夜間の電気代が安いプランがありますので、夜間に貯めた電気を昼に使うことで電気代の節約に!

 

オール電化住宅の特徴やメリット・デメリットはこちらのコラムでまとめていますよ!

オール電化のメリット・デメリットは?特徴や電気代を安くする方法も

 

災害への備えをしたい

災害による停電への備えにも蓄電池は適しています。

大容量の蓄電池を備えておけば、停電しても普段と変わらない生活をできるケースも。

要介護者やペットがいる家庭など、停電時に避難場所へ移動しにくい家庭などにもおすすめです。

 

 

新築時の蓄電池はメリットや向いている家庭の特徴を知って検討しよう

家庭用蓄電池とは、太陽光発電システムやコンセントから電気を充電し、貯めた電気を電気機器などにつないで電気を供給できる機器です。

太陽光発電システムに直接つなぐ「系統連系タイプ」、コンセントにつないで充電する「系統非連系タイプ」の2種類に大別できます。

 

新築に蓄電池を導入するメリットは①電気代の節約ができる ②停電への備えになる ③環境に優しい ④初期費用を住宅ローンに組み込める などがあります。

一方で、デメリットに①設置コストがかかる ②設置スペースが必要になる ③使用回数が有限である などがあるので注意しましょう

 

ライフスタイルや電気の使い方、住宅環境などに合わせて、蓄電容量やタイプを確認して選んでくださいね。

 

家庭用蓄電池は太陽光発電システムやオール電化ととても相性が良いです。

災害への備えにもなりますので、新築時にはぜひ導入を検討してみましょう。

 

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