住宅で使われているドアは、主に引き戸と開き戸の2つ。
どこにどんなドアを設置しようか考える際には、ぜひこの2つのドアの特徴を把握したうえで検討してみてください。
間取りやライフスタイルによって、「引き戸が適している」「開き戸が適している」という違いがあるかもしれません。
今回のコラムでは、引き戸と開き戸それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットを解説します。
ドアの種類やその特徴を知って、住まいやライフスタイルに合ったドアを見つけるヒントにしてみてください。
引き戸と開き戸の特徴や違いを確認!
住宅で使われる扉といえば、どんな形状をイメージするでしょうか?
洋風の間取りでは1枚扉の開き戸のイメージが強いかもしれませんが、その他にもいろいろな形状があります。
まずはよく使われる引き戸と開き戸について、種類や特徴を確認しましょう。
引き戸とは?
レールの上に設置した戸を、左右にスライドさせて開閉するタイプのドアです。
扉の横には、戸をスライドさせる分の壁幅(控え壁)が必要です。
開閉の方向や形状によって、主に以下の4つの種類があります。
①片開き戸
1枚の戸を左右どちらか片方にスライドさせて開閉する引き戸で、引き戸の中でももっともシンプルでオーソドックスなタイプです。
戸が1枚のタイプが多いですが、2枚以上の戸で構成されるものもあります。
②引き違い戸
2枚の戸を左右どちらにもスライドさせることができる引き戸です。
押入れのふすまのイメージですね!
3枚以上の戸で構成されるものもあります。
③引き分け戸
2枚の戸が1本のレールに並んで設置されるタイプの引き戸です。
戸はそれぞれ両側にスライドさせて開きます。
戸を両側にスライドさせるためのスペースが必要となる形状ですが、戸を開け放つことができ、間仕切りなどにもよく使われます。
④戸袋引き込み戸
スライドさせた戸を壁の中に収納できるタイプの引き戸です。
ドアを開いたときの見た目がすっきりするという特徴があります。
戸が壁の中に入る形になるため、控え壁を気にせずに家具を配置できるというメリットもあります。
開き戸とは?
ドアノブなどをつかみ、前後に開閉するタイプのドアです。
一般的に、洋風の間取りで採用されることが多いです。
①片開き戸
1枚の戸で構成されている開き戸で、もっともオーソドックスなタイプの開き戸です。
玄関やリビング、子ども部屋、トイレなど、さまざまな場面で多く使われています。
②両開き戸
2枚の戸が中央から開くタイプの開き戸です。
「観音開き」とも呼ばれます。
間口の広い出入り口には、この両開き戸が設置されるケースがあります。
③折れ戸
開いたときに扉が折りたたまれるタイプの開き戸です。
開けたときの手前のスペースが少なく済むのが特徴で、クローゼットなどの扉によく使われています。
種類ごとの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、自分たちのライフスタイルに合ったドアを選びたいものです。
続いて、引き戸・開き戸のメリットとデメリットをそれぞれご紹介していきます。
引き戸のメリット・デメリットを詳しく!
引き戸のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
【メリット1】狭いスペースでも開閉できる
開き戸と違い、開閉するときにドアの前後にスペースを必要としません。
そのため、狭い廊下からの出入りなどもしやすく、室内に家具や荷物も置きやすいです。
【メリット2】開閉しやすい
軽い力で簡単に開閉できるのもメリットの一つ。
小さな子どもや高齢者でも開閉しやすいでしょう。
【メリット3】開け放して広い空間を作れる
引き戸を開け放しておくことで、2つの部屋をつなげて1つの広い空間にすることができます。
特に引き分け戸は間口が広く、開け放すことで開放感のある広い空間を作れます。
開け放して広い一部屋にしたり、閉じて個室にしたりと、必要に応じて活用しやすい形にできるでしょう。
戸の開閉時に前後にスペースが不要、軽い力で開閉できる、開け放して広い空間を作れるというメリットは、バリアフリー住宅を考える際にも大きなメリットとなりますよ!
引き戸はバリアフリー住宅に向いているドアタイプでもあります。
バリアフリー住宅を建てる場合のポイントについては、こちらのコラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
【デメリット1】控え壁が必要
引き戸は、スライドさせた戸を引き込むための壁「控え壁」が必要で、戸の横の壁には最低でも戸1枚分の幅が必要です。
そのため、横に壁幅がない場所には引き戸を設置することができません。
また、戸がスライドしてくる場所にはコンセントやスイッチなどを設置することができないので注意しましょう。
【デメリット2】開閉に音が出やすい
戸をスライドさせるときには「ガラガラガラ」、完全に開閉したときには「バン」など、開閉時に音が出やすいのも注意点です。
深夜に開閉するときなどに、寝ている家族を起こさないように注意しましょう。
戸を強くスライドさせても、閉まる直前で勢いが弱まる「ソフトクローズ機能」などを取り入れるのもおすすめです。
【デメリット3】気密性が高くない
引き戸を閉めても、壁と戸、戸同士が密閉されないタイプが多いため、気密性が高くありません。
部屋の空気が出入りして冷暖房効率が低くなったり、室内の音漏れが気になったりする可能性があります。
ただし、洗面所や脱衣所など通気性を良くしたい場所に採用する場合は、そこがメリットになることもあります。
引き戸のある「FPの家」をご紹介!
「FPの家」の新築で引き戸を採用したご家族の声をご紹介します。
思い描いていた理想が詰まった住まい
木材をふんだんに使ったログハウステイストの一戸建てです。
まだ小さなお子さまが手足を挟まないよう、部屋のドアはすべて引き戸を採用しました。
引き戸を開け放しておくことで空間を広く使えるというメリットもあり、お子さまをのびのび育てたいという理想の住まいにもぴったりです。
老後の生活も視野に入れ、生活スペースが1階に集約された平屋建て風の間取りになっています。
レールが上吊りになっている引き戸を採用しており、車椅子が必要になった際もレールに引っかかることなく部屋を出入りできます。
開き戸のメリット・デメリットも知ろう
続いて開き戸のメリット・デメリットについてもご紹介します。
【メリット1】種類が多く、好みのデザインが選びやすい
片開き戸は住宅のドアとしてもっとも多く採用されているため、素材やデザイン、色などの種類がたくさんそろっています。
豊富なデザインの中から、住まいの雰囲気や好みに合わせたものを選びやすいでしょう。
【メリット2】省スペースで設置できる
引き戸のように扉の横に控え壁を必要としないので、狭い壁にも設置が可能です。
コンパクトなスペースに設置できるというのがメリットの一つです。
【メリット3】引き戸よりも気密性が高い
開き戸を閉めたときには、引き戸よりも高い気密性が確保されます。
冷暖房を効かせた空気を部屋から逃がさず、室内の音漏れ防止にも効果が期待できるでしょう。
【デメリット1】ドアの手前(または奥)に開閉スペースが必要
開き戸はドアを開くときに手前(または奥)にスペースが必要なため、狭い廊下や荷物の多い部屋など奥行きがない場所には設置しにくいです。
また、開閉したときに扉の奥にいる人にぶつからないようにも注意する必要があります。
開き戸のある「FPの家」をご紹介!
「FPの家」の新築で開き戸を採用したご家族の声をご紹介します。
老後まで安心して暮らせる大満足な住まい
おしゃれなカフェをイメージして家づくりを進めたご家族。
当初は普通のドアを設置するつもりだったところを、「カフェに入るようなイメージ」をコンセプトに、すりガラスをはめた可愛いデザインの室内ドアをチョイスしました。
そのほか、カフェをイメージしたカウンターを設置するなど、ドアの雰囲気を含め、可愛らしくカフェらしいお家に仕上がっています。
インテリア面ではもちろんのこと、冬の暖房費が以前の住まいよりも低コストで済むようになったと「FPの家」の住宅性能にも大満足で、毎日帰ってくるたびに「良い家だね」と笑顔になるそうです。
引き戸と開き戸のメリット・デメリットを知ってドアを選ぼう
住宅でよく使われるドアには大きく分けて引き戸と開き戸の2種類があります。
引き戸は扉を横にスライドさせて開閉するタイプ、開き戸はドアを前後に開閉するタイプのドアです。
引き戸は狭いスペースでも開閉できる、スライドするだけなので開閉しやすい、開け放して空間を活用できるといったメリットがあります。
これらのメリットは、住宅のバリアフリー化を考える際にも良いポイントとなりますよ。
ただし、スライドした戸を引き込む壁幅が必要、開閉に音が出やすい、気密性が高くないことなどに注意が必要です。
一方、開き戸はデザインが豊富なことや、開き戸と比べて省スペースで気密性も高いことなどがメリット。
扉を前後に開閉するスペースが必要なこと、扉を開けたときに奥にいる人にぶつからないようにすることなどに注意してくださいね。
自分たちの住まいの特徴やライフスタイルに合わせて、どんなドアが良いかぜひ考えてみましょう。
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