バリアフリー住宅は、高齢者や障がいを抱えた人はもとより、すべての人が安全・快適に暮らせる工夫が詰まった住まいです。
新築住宅にも、長く住む家だからこそ将来のことも考えて、バリアフリーの工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか?
今回のコラムでは、新築をバリアフリー住宅にする場合のポイントについて解説します。
バリアフリー住宅の特徴や、具体的な場所と工夫などについても紹介しますね。
二世帯住宅を検討している方や、将来に向けてバリアフリー住宅をチェックしている方はぜひご覧ください。
目次
家庭における不慮の事故が多いって本当?
不慮の事故による死亡の中で、家庭内の事故死が多いことはご存じでしょうか。
厚生労働省「令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、 家庭内の事故死の原因として多いものは、転倒・転落・墜落、不慮の溺死及び溺水、不慮の窒息の3つ。
驚くことに、どれも死亡数は交通事故よりも多いのです。
転倒・転落・墜落は、自宅の階段から落ちたりつまずいて転んだりすることが大きな原因。
不慮の溺死・溺水は、高齢者が入浴中にヒートショックを起こしたり、大人が目を離したすきに小さな子どもが溺れたりといった事故が含まれています。
※ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が乱高下し、心臓や脳の血管に負荷がかかり、健康へ悪影響を及ぼすことです。失神や心筋梗塞、脳梗塞などの原因にもなります。
これらの事故は家庭の日常に危険が潜んでいるため、家庭での事故を防ぐためには対策が必要です。
住まいにおけるバリアフリーの工夫は、こういった事故を防ぐ対策にもなり得ます。
バリアフリー住宅の特徴とは?
国土交通省によると、バリアフリーとは高齢者や障がいを抱えた方が暮らすうえで、障壁(バリア)となるものを除去(フリー)することです。
そのような工夫を取り入れた住宅を「バリアフリー住宅」といいます。
バリアフリー住宅では、以下のような工夫がよく取り入れられます。
- 段差をなくす・・・・転倒防止、車いすでも通りやすくする
- 手すりをつける・・・動作補助、転倒防止
- 温度差をなくす・・・ヒートショックの防止、健康維持
国土交通省の定義にもあるように、バリアフリー住宅というと、つまずきやすい段差をなくしたり、階段に手すりを付けたりなど「高齢者や障がいを抱えた人向け」というイメージがあるかもしれません。
しかし、実はそれに限らず、すべての人が安全に、快適に暮らせる工夫が詰まっています。
バリアフリー住宅は、高齢者だけではなく小さな子どもにも安全で、若い夫婦や家族も安全・快適に長く暮らせることを見据えた住まいづくりのひとつなのです。
ユニバーサルデザインとはどう違う?
ユニバーサルデザインとは、すべての人にとって使いやすいデザイン設計をすることを指します。
直感的で使いやすいデザインや、ピクトグラムのような分かりやすいイラスト表記などがそれにあたるものです。
高齢者や障がいを抱えた人を対象として障壁を取り除く取り組みをバリアフリー、すべての人を対象として最初から使いやすい共通の設計をする取り組みをユニバーサルデザインと言います。
新築をバリアフリー住宅にする場合の場所とポイント
新築をバリアフリー住宅にする際、まず考えるべき場所とバリアフリーの内容について紹介します。
玄関
玄関には段差があることが多いので、段差を解消したり手すりを付けたりなど、転倒防止の工夫をすることがポイントとなります。
また、車いすの使用を見据え、段差をスロープにする、玄関ドアを引き戸にする、幅を広げるといったことも必要でしょう。
トイレ
トイレでは転倒防止や動作補助のための手すりをつける、ヒートショック防止のために暖房をつけるのがポイント。
介護者が一緒に入ったり車いすで出入りできるように、トイレの個室や入り口を広くしたり扉を引き戸にすることも考えましょう。
お風呂
お風呂は家庭内でも高齢者の事故が多い場所です。
よくある事故は温度差によるヒートショックや転倒など。
浴槽内でヒートショックを起こせば溺れてしまいますし、転倒すると頭を打って大事故になりかねません。
ヒートショックを防ぐためには、浴室暖房などで浴室や脱衣所も暖めるのがおすすめ。
入浴前の「寒い!」がなくなるので、すべての人にとっても快適です。
滑りにくい床材や手すりを付けて転倒防止、浴槽のフチを低くすることでまたぎやすくもなります。
介護の可能性などを考えた場合は、要介護者と一緒に入れる大きさにするというのも良いでしょう。
リビング・廊下
高齢者はちょっとした段差や、段差のない場所でもつまずいて転倒する可能性があります。
部屋の入口などに段差を設けないのはもちろん、カーペットの端などにも気をつけましょう。
滑りにくい床材を採用するのもおすすめです。
車いすの利用を想定する場合は、部屋の入り口や廊下の幅を広くとること、ドアを引き戸にすることなども考えましょう。
間取りの工夫
バリアフリーの観点から言うと、階段を使わず、生活を1階で完結させるのがおすすめです。
LDK・寝室・トイレなどを近くに配置し、動線をシンプルにしておくと生活しやすいです。
バリアフリーの「FPの家」を新築したご家族の声をご紹介
バリアフリーの「FPの家」を新築したお客様の事例をご紹介します。
つらいリウマチも改善したバリアフリーの家
家を建てられる際にご夫婦が意識されたことは「バリアフリーの家」であること。
関節リウマチの症状に悩まされている奥さまのために、段差のないフラットな床の家にされ、冬は暖かく夏は涼しく快適に過ごされています。
季節問わずトイレやお風呂・脱衣場を含めどこの部屋も温度が一定で、“ 温度もバリアフリー化” され体も楽になったそうで、「「FPの家」ならではですね」と笑顔がこぼれます。
冬の結露がない生活にびっくり、掃除しやすくなったとのこと。
加えて、生活習慣に合わせ保冷室の「クルム」を設置するなど、キッチンを使いやすくしたことで家事の負担が軽くなったことも健康改善につながっているとお話しくださいました。
新築でもバリアフリー住宅を検討。安全・快適に暮らせる住まいに
バリアフリー住宅とは、暮らしの中で障壁(バリア)となる課題を取り除く(フリー)工夫を取り入れた住宅のことです。
高齢者や障がいを抱える人はもちろん、小さな子どもや若い人などみんなが安全・快適に暮らせるものも含まれます。
バリアフリー住宅でよく取り入れられるのは、段差をなくす、手すりを付ける、温度差をなくすなどの工夫です。
転倒事故やヒートショックを防止し、快適に暮らせる住まいづくりのポイントでもあります。
そのほか玄関やトイレ、お風呂なども、使用頻度が高く家庭内で事故が起こりやすい場所ですので、ぜひバリアフリー化を検討してみましょう。
快適で住み良い家を建てるなら、お気軽に最寄りの「FPの家」加盟店にお気軽にお問い合わせください。
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